眼鏡女子 [ShortStory1]
いやぁ
なんかもう、
ミえなくなっちゃって。
なにもミえなくていいか
と思い
眼鏡をはずし歩く。
視界はグラグラ
誰が誰かわからない
そもそもミえてたって
誰が誰かなんてワカらないのだけど。
ミたいとも思わないのだけど。
識別できないこの世界
一生懸命自己を主張しつづける人達の声も
視界とともに消えてった
あぁ、
こんくらいが調度いいな。
やっと
"ミたい人"をミる意思が
私にも宿った
気がした。
眼鏡をはずして歩く
頭でっかちには
もうならないように。